引き続きリサイタル関連のお話をさせて頂きます。
今回はハルボルセンのパッサカリア、ベートーヴェンのヴァリエーションや、ブラームスの歌とピアノとのトリオ。また、岡村星見さんの作品の再演等、私にとっては難曲への挑戦でした。
その中でも、コダーイの無伴奏チェロソナタ1楽章とダヴィドフの『泉のほとりで』の2曲は、リサイタル当日まで本当に弾けるのか、不安と恐怖との戦いでした。
リサイタル直前まで、技術的に弾けるという確信をなかなか持てず、音楽的なところまで意識を持っていけてなかったのです。
ダヴィドフは、ペテルブルグ留学時代に日本への帰国直前に、何故か突然チェロの先生が楽譜を渡してきて、『これを弾け』と言ってきました。
当時は全く弾けず、あれから10年以上経って、ようやく『何とかなるかもしれない』と思えてリサイタルのプログラムに入れる勇気を持てました。
コダーイは、1年以上前に新型コロナが日本全土に広まり、仕事がほぼ0になり1日家に籠っていた時に初めて練習しようと思いました。最初は楽譜に記されている音をチェロを使ってどのように並べたら良いか分からず、Youtubeの動画などを参考に少しずつ勉強しました。
1日に数小節程しか進めない日が続き、1、2、3楽章最後まで目を通せたのは1ヶ月以上経っていました。
1楽章だけなら何とか人前で弾けるかもしれないと思い、リサイタルのプログラムに入れました。
リサイタル当日は、これまで積み重ねてきたものを信じて、2曲共に何とか弾き終える事が出来ました。
終わってみると反省だらけですが、この2曲を演奏終えられて、本当に良かったです。
少し実力がついたなと感じれる部分もありましたが、まだまだ力不足を痛感するリサイタルでした。
精進します。