6歳の息子から学ぶ

6歳の息子がチェロを始めて半年が過ぎようとしています。親子でレッスンをすると上手くいかないので、チェロの先生に定期的にレッスンを受けています。

スズキチェロ教則本1巻のきらきら星や、無窮動、リゴードンなどを練習しています。曲の練習を始めた段階では、毎回『これは一生弾けないのでは』と思ってしまいます。はっきり言って弾き方がめちゃくちゃなのです。1週間2週間経つと、弾ける箇所が2、3割出来ています。段々弾き方も無駄がなくなり力が抜けていきます。

さらに2週間経つと半分以上弾けていて、1ヶ月半程経つと大体弾けているのです。弾き方も何故か非常に自然になっています。1日の練習は、1回もしくは2回最初から最後まで通すだけなのに!!

勿論個人差があって、1、2週間で弾けるようになる子供、2ヶ月かかる子供さん等々いらっしゃると思います。

驚いたのは、子供の身体の柔軟性です。最初はとても曲が弾ける完成形に辿り着ける面影はないのですが、段々それに近づいていける。自然にチェロを弾ける状態に近づいていける。

何故なのでしょうか。

身体が正しい方向に導くセンサーを持っているのでしょうか。勿論、それは私の息子だけでなく、全ての子供さんに備わっているのではないでしょうか。

親バカの話をするつもりは毛頭なく、(無意識にしていたら申し訳ありません)15歳からチェロを始めた私にとって、チェロを弾く事は頭を使って身体の使い方を常日頃試行錯誤する連続でした。まずどう椅子に座るから始まり、構え方、弓を持つ際の手の脱力等々無限に注意する必要があります。

しかし、子供はそのような事は考えません。チェロを弾く事は自転車に乗ったり箸の使い方を覚えたりするのと近い感覚なのかもしれません。頭で考えるよりも身体で覚えるとでも言いましょうか。

息子のチェロを弾いている姿を見て、とても羨ましくなった今日この頃でした。

頭でっかちにならず子供のように伸び伸び身体を使って弾く大切さを忘れないようにしたいものです。

そういえば、ヨーヨー・マやイッサーリスも子供のように楽しそうに演奏していますね。