北村陽さん、エリザベート国際コンクール5位入賞おめでとうございます。
最終結果が出るまで、インターネットで彼や他の参加者の演奏を聴いていました。どの方も素晴らしく、私の感覚からすると、まるで化け物のような技術と表現力を持った演奏家ばかりでした。
実は10年以上前、陽君(あえて昔の呼び方で失礼します)と接点があります。
私が宝塚のある音楽教室で教え始めた頃、前任のチェロの先生が突然退職されました。その先生に習っていた生徒の一人が、当時まだ小学校2、3年生だった北村陽君です。
先生がいなくなってしまったため、臨時で私がレッスンを担当することになりました。
ところが、既にサン・サーンスのチェロ協奏曲を見事に弾いており、私は大変驚かされました。正直なところ、レッスンをするというより、才能あふれる少年の演奏に感心していた記憶の方が強く残っています。
それ以上に印象的だったのは彼の人柄です。
子供の頃から大人顔負けの腕前でしたが、とても素直で礼儀正しく、周囲に対して自然な優しさを持っていました。
先日、久し振りに演奏する姿を拝見しました。
そこにいたのは、かつての天才少年ではなく、世界を舞台に活躍する立派なチェロ奏者でした。もちろん子供の頃から才能は抜群でしたが、その才能に甘えることなく努力を重ねてきたからこそ、現在の姿があるのだと思います。
エリザベート国際コンクールの結果については、ご本人にとって悔しさも残るものだったようです。しかし、まだ22歳。これからさらに進化し続けることでしょう。
今後の活躍を心から楽しみにしています。
そして、かつて小学生の陽君に驚かされた経験も、今では私にとって良い思い出になっています。
